【満員御礼!】「いいたて雪っ娘ホクホクしっとり大収穫祭!!」大盛況のうちに終了しました!!

今シーズンも無事に収穫を終えたいいたて雪っ娘。その収穫の喜びと感謝を多くの方と共に楽しみたい!そんなイベントが、11月21日に福島市の「あぶくま茶屋」で開催されました。

◯奇跡のフードユニット”ANDEND”登場!

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少し強めに吹く風に肌寒さを感じる午前8時、二時間後のスタートを前にTシャツ姿で仕込みを進めているのは、いいたて雪っ娘公式アンバサダーの猿渡浩之さん。今回の目玉イベントの一つ「いいたて雪っ娘ホクホク食堂」でスペシャルメニューを提供されます。

収穫祭用のメニューづくりは2ヶ月前ほどから進めていたとのことですが、今回はなんと、菓子・保存食料理家であり代々木上原で「按田餃子」を営まれている按田優子さんと、スペシャルユニット”ANDEND”を結成!美味しいもの好きから一目を置かれる2店のコラボレーションに心踊ります!!

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薄皮が剥かれた果肉が、少しずつ細かく切り出されるその姿。トントンと重厚にリズムを刻む猿渡さんの手に、思わず見とれてしまいます。

◯オープニング間近、着々ホクホクと準備は進みます。

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一方、厨房奥のスペースからは、たっぷりの蒸しカボチャが登場。太陽に照らされたオレンジ色の果肉からは、ホクホク感のある湯気が立ち上ります。

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そして、屋外スペースには公式アンバサダーの廣本直樹さんプロデュースの「いいたて雪っ娘マルシェ」がお目見え!

収穫後にしっかり追熟された雪っ娘や、雪っ娘をふんだんに使った加工品が勢揃い。販売開始を待ちきれないお客さんが、早くもお気に入りの雪っ娘を探しています。

◯いよいよ収穫祭スタート!そして…予想だにしないハプニングが。

午前10時のスタート時間を迎えて、「さぁ始まりです!」…となっていたのですが、想像を遥かに上回るお客さんの数に、屋外スペースがすごいことに!

初めての収穫祭イベントでしたが、まさかここまで…ということで、会場のボルテージは高まりつつ、スタッフの慌ただしさもヒートアップしていました。

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さきほどの蒸しカボチャは網でこんがりと焼かれて、収穫祭のイベントの一つである「雪っ娘ファッションショー」にご参加の方にお振る舞いされたもの。

カリカリと香ばしく焼かれた表面の中には、ホクホクしっとりの甘さがたっぷり。シンプルな美味しさでお出迎えです。

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あぶくま茶屋の建物の中に設けられたパンとお菓子のコーナーには、山形で雪っ娘を育てる鮎川さんの娘さんが手掛ける、米粉パンのお店「あおいそら」から、雪っ娘をふんだんに使った8種類のパンが勢揃い!

また、各地の雪っ娘イベントで好評を得ている雪っ娘蒸しパンやチーズケーキも並び、こんがりブラウンと鮮やかオレンジ色に染まった棚の前には、お客さんがひっきりなしでした。

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もちろん、マルシェも大盛況!野菜の魅力を語り部の形で多くの方に届ける廣本さんのトークに、お客さんは引き寄せられ、山積みだった雪っ娘の高さはハイペースで低くなっていました。

◯素敵なリコーダーのハーモニーのお供は、アツアツのかぼちゃ団子汁!

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そして、ステージイベントの始まりです。この日演奏いただいたのは、リコーダーユニットぷりずむくぷれDuoのお二方。震災後、頻繁に被災地を訪れて優しい演奏で励ましてきました。

今回は、埼玉県熊谷市で栽培されている雪っ娘との出会いをきっかけに、ご登場されました。

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二部構成の中で色々な曲が演奏されましたが、中でも印象的だったのがSMAPの世界で一つだけの花。

飯舘村から奇跡的に運びだされた雪っ娘の種は、全国各地で少しずつ芽吹いています。各地で育てる方が抱く雪っ娘に対する愛は共通ですが、全国の気候風土といった環境の違いで、一つ一つ違った雪っ娘の花が咲く。 そして、花の先にある実りは食卓に一つ一つのオンリーワンの笑顔の花を咲かせる。

まるで賛歌のように、想いを込めて演奏していただきました。

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そんなステージの横で、大鍋で作られていたのはたっぷりの団子汁。

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グツグツと煮えた鍋の主役は、雪っ娘を練り込んだカラフルな団子。温かくしみじみ美味しい一杯が身体に優しく寄り添ってくれます。

◯雪っ娘ホクホク食堂のメインメニューはこんなに凄かったんです!

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もちろん、あぶくま茶屋の中も大盛況!店頭に貼られた食堂のメニューが、お客さんの空腹度数を更に高めていました。

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ANDENDのお二方による調理も、着々と進みます。

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今回のスペシャルメニューは2つ。まずは「雪っ娘トッピングが決め手!ビーフとチキンのあいがけカレー」からいただきます。

まるで阿武隈山系の山を模したかのような立派なごはんを境にして、左側には柔らかく煮こまれた牛すね肉がたっぷり入った黒いカレーソース、その上に雪っ娘のペースト。そして奥に鎮座しているのが按田さんが「このカレーに合う!」ということで、生地から作ったクラッカーのようなパパドという料理。もちろん、雪っ娘も練りこまれています。

コク深く香り豊かなソースに雪っ娘のペーストを絡めると、舌触りに賑わいが増し味の立体感が甘さによって厚みを増します!このソースにパパドを絡めて食べれば、軽快な食感とスパイシーな生地の香りが踊ります。ウェハースのような存在でありつつも、ソースとの親和性が計算された組み合わせがたまりません。

一方、右側にはカレースパイスを効かせた和風だしのソースに鶏もも肉の叩き身を泳がせて、そこに雪っ娘のグリルを合わせます。とろみと出汁の旨みが効いたソースとごはんとの相性は言うまでもなく、あっさり系のソースの中にグリルした雪っ娘の甘みがガッチリ絡みます!

そして山頂に盛られた細切りの雪っ娘と生姜は、薬味としての機能はもちろんのこと、「生でも美味しい!」という印象を爽やかな香りと共に心に刻んでくれました。

「単純にソースに雪っ娘を混ぜてしまうと、かぼちゃの個性が埋もれてしまう。」とお話されていた猿渡さん。立体的なこのハーモニーは極上の一品でした!

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そして、もう一品が「雪っ娘ぽかぽかココナッツミルク」。ココナッツクリームと牛乳を合わせたところに、サイコロ状にカットされた雪っ娘がたっぷり入っています。

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疲れと寒さを一気に忘れさせる甘さに驚き、シナモンの香りのアクセントを感じつつ、カップの下に入ったかぼちゃをマドラーで食べ進めると、ドリンクというよりスイーツを食べている感覚になります。

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今回は新しい料理を通じて雪っ娘の美味しさを感じてほしいということで、こうしたメニューが提供されていましたが、食堂にいらっしゃったお客さんからは、ルックスと美味しさに驚きを隠せない様子。

小さなお子様も雪っ娘の美味しさに夢中といった顔でした。

◯イベントの表彰式でこぼれる笑顔、そしてパネルディスカション

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今回の大収穫祭には、アトラクションも盛りだくさん。まず、「雪っ娘重さ当てクイズ」は、「かぼちゃ一つの重さ」か「大量のかぼちゃが入ったコンテナの重さ」を当てるという二択でした。

エントリーが多かったのは一つの重さを当てる部門のようでしたが、普段から農作業をされているおばぁちゃんの多くは、コンテナの重さを当てる部門にエントリーされていたのが印象的です。

残念ながら1グラム単位まで、重さをピタリと当てる方はいらっしゃいませんでしたが(笑)、一番近い回答をされた方の誤差はわずか10グラム程度。見た目以上にずっしりと中身が詰まっているので、難しいかも…という主催者側の意向を軽やかにかわしていきました。

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もう一つが「雪っ娘ファッションショー」。かぼちゃにちなんだオレンジか緑色の服やアクセサリーなどを身につけた方をチェキで撮影し、人気投票によって優勝者を決めるというイベントでした。

撮影された方にはおばぁちゃんが多く、フィルムに写った笑顔を見るとこちらも顔がほころんじゃいます。

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優勝されたのはこちらの女性。タイダイ染めのカットソーでかぼちゃの表皮と果肉を表現し、ストールもかぼちゃカラーのグラデーション。自然が生み出した雪っ娘のカラーリングを体現されていました!

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そして、締めくくりはパネルディスカッション。いいたて雪っ娘プロジェクトの渡邊代表と種を育てられた菅野顧問。そして岩手県遠野市で雪っ娘を育てられている「遠野ふるさと野菜」の高橋義明さんをパネリストに迎え、野菜の語り部研究所の廣本さんの進行により、雪っ娘の知られざる話や美味しさの秘密といった話が展開していきました。

雪っ娘は30年かけて品種改良されてきたかぼちゃですが、栽培が本格化して間もないこともあり、多くの方においしさを届ける上で課題も残っています。そうしたものを高橋さんが愛を持って挙げられていたことが印象的でした。

◯「支えられていることを実感した。」そんな収穫祭でした。

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「私が人生後半、これにかけて生きてきました。震災後、多くの困難の中、生き抜いてきたいいたて雪っ娘もこうした形で皆さまにご紹介出来る日が来た事に感無量の思いです。」

雪っ娘の栽培に全力を費やしてきた渡邊さんは、この収穫祭を通じて多くの方に魅力をお伝えできたことを、しみじみと語られていました。

こうした形で紹介できたのは多くの方の支えがあったからこそ。もしかすると、この収穫祭そのものが渡邊さんや菅野さん、そして熊谷さんという3人の協議会メンバーにとって、実りの瞬間だったのかもしれません。

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ふと、茶屋の横を見るとお子様が石と葉っぱで作ったかぼちゃの姿が。若い世代の方にも雪っ娘の魅力を感じていただけたようです。

次回の収穫祭でどのような出会いと実りがあるのか。今から楽しみです。


TEXT/PHOTO 坂本貴秀(Local-Fooddesign)
PHOTO(トップの写真、串刺しのかぼちゃ、団子汁) 城島めぐみ